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女子聖学院ディベート部 |
ここで否定側を引いた。若狭の試合を見に行っていた卒業生から若狭のメリットのフローシートが届く。とにかく声が小さくて早いのであまり書き取れないという。かろうじてメリットが「ニーズにあったサービス」と「財政の健全化」だということはわかる。
デメリットは何にするかで迷う。このところ出していなかったが「電力不足」を出すかという声もあったが、あちらさんはなにしろ原発のメッカ。たぶん簡単につぶされるだろうということで、再び「地域政策の悪化」と「政策の放棄」で行くことにする。 で、ここでまた僕が戦略ミスを犯してしまった。どうやらメリット1は福祉サービスが充実するという話らしいから、地方に任せると返って無駄が増えて福祉の切り捨てになる、という議論を1反でするように指示してしまった。その反駁の矛盾に気づいたのは伊藤だった。「でも、先生、私たちの立場は現状で市町村がやっているのはいいという立場じゃ…」「いいから入れておこう」こうやって無理矢理反駁に加えさせてしまった。 会場に行くとすでに若狭高校は席についていた。その脇で渡邊先生がビデオを設置していた。思わず近寄っていって握手をしてしまった。 なにしろ、去年はお互い地区予選で負けて、全国ではジャッジをしていた仲である。「もう二度とジャッジ室には来たくないね」などと、隣の席に座りながらぶつぶつ言っていたものである。それが準決勝でこうして対戦できる。 もうそれだけで感激だった。 しかし、握手しながら、渡邊先生の目は笑ってなかった。ここまで来たら決勝に進むんだ、そういう意欲がみなぎっていた。 |
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筑田 周一
s_chikuda@hotmail.com
最終更新日: 01.8.17